イラストレーター 小池葉月さんインタビュー
猫の自然体の美しさを、草花にのせて。
ねこくら×小池 葉月 Fluffy CATポスター誕生ストーリー
「猫との心地よい暮らしをそっと支えたい」という想いを形にする「ねこくら」。
今回、オリジナルアートポスターの製作にあたり、柔らかなタッチで人気のイラストレーター・小池葉月さん(sotlight)とのコラボレーションが実現しました。
猫の愛おしい一瞬の仕草や表情、そして作品に込められた草花への想いについて、ねこくらスタッフがお話を伺いました。
1. 「猫のいる暮らし」を、もっと身近に感じてほしい
── 今回、ねこくらから企画のご相談をしたとき、率直にどう感じられましたか?
小池さん:
「ねこくら」さんのアイテムや提案は、どれも“暮らしの中に溶け込むこと”を大切にされていて、とても安心して眺めていられるお店だなと感じていました。自分の部屋や生活の中に置いたらどう馴染むのか、見せるシーンが自然とイメージしやすかったですね。
── 今回の「Fluffy CAT ポスター」を制作するにあたって、一番大切にされたテーマを教えてください。
小池さん:
猫と暮らしている方はもちろん、そうでない方にとっても、仕草や表情を通じて「いつも猫が暮らしのすぐそばにいるようなあたたかさ」を感じてもらえるように意識して描きました。
これまでの私の「Fluffy」シリーズは、動物のふわふわとした丸いフォルムそのものを中心に描いていました。ですが今回は、「まず猫自身の自然体な姿があり、その美しさや形を植物の線で表現する」というアプローチをとりました。着想の段階から、これまでにない新たな試みになったと感じています。
2. 試行錯誤を重ねた“仕草”と草花の表現
── 制作過程で、特に苦労された点や悩んだポイントはどこでしたか?
小池さん:
初めて作品を見る方にも「今、猫がどんな仕草をしているのか」が一目でしっかり伝わるように描くのがとても難しかったです。猫の毛並みやシルエットをすべて草花で描くため、体のパーツによって使える植物の形も限られてくるんです。特に「耳」のラインは毎回苦戦しますね。
全6種の中でも、特に「毛づくろい(Grooming)」は一番難しかったです。
ねこくらスタッフ:
「毛づくろい」は、微調整や色のバランスなど何度もやり取りを重ねて完成しましたよね。
小池さん:
そうですね。シルエットにしたときのポーズや全体のフォルムで、猫の姿勢、微妙な手の角度、しっぽの表現などを何度も描き直しました。微修正を繰り返しながら、より自然体でリラックスした表情を引き出していきました。
一度紙に鉛筆で描き起こし、その手書きのテクスチャをデジタルの上に重ねることで、原画のようなあたたかな風合いが生まれます。
3. それぞれの絵柄に込めたストーリーと草花選び
── 6種類の作品の中で、小池さんが一番思い入れのある1枚を教えてください。
小池さん:
最初にパッと頭に思い浮かんだのは「見つめる(Looking)」ですね。
ねこくらスタッフ:
「見つめる」は、最初のラフ提案の段階から完成度が高く、すんなりとイメージが形になった印象があります。
小池さん:
企画段階から頭の中に明確なイメージがあり、従来の「Fluffy」の雰囲気にも近かったので、描いていて一番しっくりくる感覚がありました。長毛のふわふわ感を表現するために、綿毛やレースフラワー、アジアンタムなど、繊細で柔らかい印象の草花を散りばめています。描き込める要素が多かったので、作画していてとても楽しかったですね。この細やかな表現をじっくり楽しんでいただきたくて、30cmの大きなサイズに仕立てました。
── それぞれのポーズに合わせて、選ばれる植物もがらりと変えられているのですね。
小池さん:
そうなんです。「この猫がどこにいるのか」「どんな時間帯なのか」といった空気感を意識して植物を選んでいます。
たとえば「伸び(Stretching)」は、一日の始まりやお昼寝から起きてぐーっと伸びをするような、暖かで伸びやかな瞬間をイメージしています。矢車草やアカツメクサ、カタバミなどの野の花を散りばめ、背景も明るいカラーにして爽やかに仕上げました。
一方で「毛づくろい(Grooming)」は、夜寝る前に体を整えるリラックスタイムです。星型のかわいい花をつけるブルースターや、夜になると葉を閉じるネムノキなど、“夜”を感じさせる植物を組み合わせています。
── 描かれている植物の知識の豊富さにも驚かされるのですが、小池さんの植物好きはどこから来ているのでしょうか?
小池さん:
幼い頃から学研のイラスト図鑑が大好きで、よく真似をして絵を描く練習をしていました。そのうちに近所に咲く野草をスケッチするようになり、今でも「じっくり眺めて観察する時間」そのものが好きです。時々植物園に足を運んだり、図鑑をめくったりして着想を得ています。
4. 暮らしの中に、そっと寄り添う存在として
── このポスターが、お客様のどんな空間や暮らしに届いてほしいと思われますか?
小池さん:
一番は、猫が好きな方や猫と一緒に暮らしている方の日常に、すっと溶け込んでくれたら嬉しいです。情そして、かつて猫と暮らしていた方や、「いつか迎えたいな」と思っている方にとっても、お部屋に飾ることで“猫のいる心地よい暮らし”を少しでも身近に感じていただける存在になれたらいいなと願っています。
取材の途中、小池さんが普段制作で使われている貴重な原画やラフを見せていただく機会がありました。
デジタルで制作された線画に独特のやわらかい風合いを加えるため、一度紙に鉛筆で描き起こしてから、その質感を手作業でデジタルの画面に重ね合わせているのだそうです。
お客様から「まるで本物の原画のよう」とお声をいただく理由が、このひと手間を惜しまない小池さんの丁寧な手仕事に触れて、とてもよく分かった気がします。
ねこくらと小池さんの想いがたっぷり詰まったこのポスターが、みなさまの毎日にそっと優しい時間を運んでくれますように。
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sotlight(ソットライト)
なにげないひと時に“そっと”光を当ててみる。感情、手触り、色、かたち。それをまた思い出し、心に”そっと”灯る記憶のどこかに立ち会うことができたなら。そんな、日常に寄り添えるようなものづくりを目指しています。
小池 葉月 / Illustration, Design
自然のものや身近な雑貨などをモチーフに、記憶と感情を織り混ぜ描いています。生活雑貨ショップスタッフ・企画部を経て2009年よりフリーランスで活動開始。雑貨、アパレル関連でイラストやデザインをしながら作品展示やイベントなどで活動しています。イラストレーションを生かし日常で使えるものを作りたいと思い、『ソットライト』がうまれました。
