「うちの猫はブラッシング嫌い」わたしが試したブラシ克服の話 - 猫と暮らすかたち

「うちの猫はブラッシング嫌い」わたしが試したブラシ克服の話 - 猫と暮らすかたち

シャルトリューのあずき
あずき

シャルトリューのあずきがうちに来てもうすぐ3年になります。
穏やかな性格で家族の後ろをついてまわるほど人懐っこいのですが、大きな音やいきなり触られることが苦手。

ビックリすると目に見えぬ速さで2階に駆け上がり引きこもってしまうのです。
そんな繊細なあずきですが、ご多分に漏れずブラッシングが大の苦手でした。

艶ややかなブルーグレーが美しい被毛は、短毛ながら密度が濃く手触りも滑らか。それゆえに換毛期にはたくさんの毛が抜けます。
抜け毛ケアも兼ね、美しい毛並みを保つためブラッシングをしてあげたいのですがこれがまた、ひと苦労。
無理をさせてよりブラッシングから遠ざかってしまうことは避けたい。

ですが、毎日わたしもあずきも楽しくブラッシングで健康管理をしながらコミュニケーションの時間となったらどんなに幸せだろうと思い、いくつか試行錯誤をしてみました。

そんなわたしとあずきの奮闘記をご紹介したいと思います。

本当にそのブラシなの?を考えてみた

自宅にあったシリコンブラシやスリッカーブラシなど色々試してみました。

まず、シリコンブラシは換毛期のケアには適しているのですが、毛が引っ張られる感覚が苦手なようで嫌がられてしまいました。

次にトライしたのは金属製のスリッカーブラシ。
これも肌あたりが冷たいため、体に当てるとあずきはスッとすり抜けてどこかに消えてしまう。

どちらも好みではないようです。

優しく手で撫でられることが大好きなことを考えてみると、この人工的な触感が苦手なのかもしれない。

そう思い、とにかく肌あたりの優しい天然の白豚毛を使った猫用ブラシに決めました。

ブラッシングを克服するステップ

 

1.まずは信頼を - 警戒心を解く

最初はアピール!はじめの一歩は手で撫でるだけ。

猫にブラシを見せて警戒心を解く
ブラシを持たない方の手で撫でるだけ

せっかく相棒にと決めたブラシです。
警戒されては困るので、まずは手に持って存在をアピール。

決してブラシで体には触れず、空いたほうの手で背中を優しく撫でること。

ご機嫌な短い時間だけでいいので繰り返し続けました。

2.ブラシって怖くないよ!- ブラシに慣れさせる

ブラシの存在に気づいてもらえたら鼻先にブラシを持っていき、好きなだけスンスンしてもらいました。

ブラシの匂いを嗅ぐ猫
ブラシに興味を持ちはじめました

ほかのブラシの時のように目もくれずスタスタどこかに行ってしまうかなと思っていたのですが、そっとそばに置いてみるとまさか興味津々にギュッと抱きついたり、蹴りぐるみのように遊んだりと、ブラシに戯れつきはじめたのです。

ブラッシングとは程遠い光景でしたが、取り上げずに様子を見てみることにしました。

3.いよいよブラシを使って体に触れてみる

ブラッシングに慣れてきた様子の猫
ブラシで初めて撫でられて、少し緊張した様子

ご機嫌が良い時に1と同様のスタイルで、片手にブラシ、空いた手であずきの背中をゆっくりと撫でます。

気持ちが良くなってきた頃に、撫でる手をそっとブラシとバトンタッチしてみると、、、バレました。

そして「騙されたと思うなよ」とこちらをジッと見つめていますが、「さっきのブラシだよ」と鼻先にブラシをそっと近づけてみると、今度はなんと戯れつきもせず「しょうがないな」と言っているかのように尻尾をこちらに近づけてくれたのです。

心が通ったようでとても嬉しい瞬間でした。

4.猫の好きな触られポイントを探してみて

ブラッシングさせてくれるようになったら、いちばん触ってほしい部位を見つけます。

猫が喜ぶブラッシングのポイントを探る

どこがOKで、どこがNGなのか猫さんそれぞれに触ってほしい部位に好みがあると思います。
まずは日頃手で撫でられる部位から、ゆっくりと試してみてください。


ブラッシングする強さや速さにも好みがあるので、触られポイントを見つけられたら手加減してみます。
猫さんと一緒に見つけられるといいですね。

その後は、日を追うごとに背中→尻尾→顔周りと心を許してくれました。

たまに「プン」とそっぽを向かれて逃げてしまうこともありますが、そんな日もあります。

無理はしない。

一歩さがって、また翌日に。
「根気よく」が鍵なのです。

猫にも人にもやさしい天然毛のブラシを

あんなにブラシが苦手だったあずきも、いまではブラシをガサゴソと取り出す音に寄ってきて「ブラシかけて〜!」とへそ天でおねだりするほどになりました。

ヘソ天でブラシにじゃれる猫
なんとも愛らしい姿を見せてくれます

「うちの子、ブラシ嫌いだから…」
そう思っていたあの頃の私に、教えてあげたい。

いま思えば「ブラッシングを日課として使うこと」が目的ではなくて、「あずきが気持ちよく過ごせること」が目標になったとき、不思議とあずきも受け入れてくれたように思います。

焦らないこと。
信じて待つこと。


猫との暮らしって、そんなゆっくりと流れる時間がいちばん尊いのかもしれないね。

 

いかがでしたでしょうか?
ご紹介した4ステップ。

なんだか読んでみると、道のりは長い?そんな気もしてくるかと思いますが、あずきがブラシになれるまでは3〜4日ほどだったと思います。

 

これらはわたしとあずきの例で、猫も人もそれぞれです。


1日でブラシ好きになる猫さんもいるかもしれませんが、根気よく続けることで少しずつ心を許してくれる猫さんもいます。

「うちの子、どのブラシも苦手、、、」同じように悩んでいる飼い主さんにも、ぜひ天然毛の猫用ブラシを試してみて欲しい。

このやさしいブラシが、愛猫とあなたの間にも穏やかな時間を運んでくれますように。

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