パンかご作りのワークショップを開催しました
こんにちは、スタッフヨシダです!
先日、私たちにとって初の試みとなる「かご編みのワークショップ」を開催しました。
遠くラトビアからピヌム・パサウレ工房のオーガストさんとロリータさんをお招きし、手仕事の魅力を直に体験できた特別な一日となりました。
都合が合わず泣く泣く断念した2年前。念願叶っての開催ということで、スタッフみんな気合が入ります。

ピヌム・パサウレかご工房とラトビアのかご編み文化
Pinumu Pasaule(ピヌム・パサウレ)
首都リガにある1985年創業のラトビア有数のかご編み工房。
創業者のPeterius Tutans(ペテリス・テュタン)さんが営むかご工房では、かご編みはもちろん、原料となる柳の栽培から、編む前のヤナギの下準備などもすべて熟練の職人さんたちが手作業で行っています。
ラトビアのかご編みは、美しい編み柄の繊細さと、自然素材を活かした温かみのある風合いが特徴です。「細やかだけどしっかりとした作りで、暮らしの中にすっとなじむ」そんな魅力を通じて、現在ではラトビアで有数のかご編み工房として国内外に彼らの美しいバスケットを届け続けています。
今回の講師として教えてくださったオーガストさんは、7歳のころからかご編みを始めました。お父様のピーターさんに、かご編みを教えてほしいと自らお願いしたそうです。
ちなみに、どうしても気になって聞いたのですが、オーガスト(August)さんは8月生まれではないそうです・・・(笑)
幼いころからご家族と一緒にかごを編んできたその手元には、たくさんの経験が詰まっていました。
準備から大変な海外作家とのワークショップ
参加してくださる皆さんに楽しいひとときを過ごしてほしいという思いから、たくさん時間をかけて準備をしてきました。
そもそもワークショップ開催自体が初めてだったので、パソコンで「ワークショップ 開催方法」と調べるところから。企画のテーマを決めたり、必要な材料を集めたり、集客をしたり・・・何もかもが初めてのことばかりでした。

北欧のモビールKitoを吊るして素敵な空間に大変身させました。
私が何よりも難しいと感じたのは、外国の方と連絡を取り合うこと。
文化や価値観の違うラトビアの方と一緒にワークショップの内容を決めていくのは、想像以上に難しいことでした。
私達が当たり前だと思っていることが通じない場面も多く、一つ一つ丁寧にすり合わせていく必要がありました。
大変だったぶん、無事にワークショップを終えることができたときの喜びはいまでも忘れられません。
「一緒に開催できてよかった」と心から思える経験となりました。
さあ、いよいよパンかご作りの始まりです

すべて天然素材のみ!
オーガストさんたちが到着して息をつく間もなく、あれよあれよとワークショップが始まりました。
緊張していたスタッフの私たちも、バタバタするうちに次第に緊張がほぐれていきました。
参加者は1部、2部合わせて10名。
私含めてスタッフも2名参加し、一緒にかご編み体験をさせていただきました。
今回作ったのは、こちらのウッドトレイ。
「パンかご」として使うイメージが浮かんだので、印西市にある人気のパン屋さんBread house nestさん(@bread_house_nest)にご協力いただき、パンかごと一緒に焼き立てパンのプレゼントをお渡ししました。
人との繋がりを大切にされているnestさんのファンの方も多く、今回お客さまにお知らせするにあたり大変ご尽力いただきました。
私も含めnestさんのパンが好きなスタッフもいましたので、今回一緒にワークショップを盛り上げていただけたことが本当に嬉しかったです。ありがとうございます♪
柳を編む難しさと楽しさ
さあ、エプロンと軍手をつけて、かご編みのワークショップスタートです。
まず穴の開いた木の板に湿らせた柳の枝をさして土台を作っていきます。
「よし、これだったら私にもサクサクできそう。」と思いきや、小さな穴に柳を通すのには相当な力が必要でした。
土台を作ったら、ぐるぐると高さが出るまでひたすら編んでいきます。
オーガストさんは簡単そうに編みますが、なんとも複雑な編み方でとても難しかったです。
「ここから数えて、ワン、トゥー、スリー、ここに通すんだよ」と教えてくださいましたが、何本もの柳に惑わされてすぐにわからなくなってしまいます。

何度も何度も質問を繰り返して、それでも丁寧に教えてくださるオーガストさん。
柳の湿り気が足りず、編み途中でポキっと折れてしまうこともありましたが、折れた箇所がわからないほどきれいに修復してくれます。

参加者の皆さんも頭を悩ませながら進められていましたが、お互いに教え合う姿も次第にみられ、自然とコミュニケーションが生まれて和やかな雰囲気となりました。
コーヒーとラトビアのお菓子で一息
作業途中には、コーヒー好きの店長が淹れるコーヒーを飲んでひと休み♪
使い込んでいるエプロンBIBが良く似合っています。
ロリータさんが持ってきてくださったラトビアのお菓子と一緒にほっとひと息つきました。
世界に一つだけのパンかご完成!
オーガストさんに手伝ってもらいながらひたすら集中すること3時間半ほど・・・
立派なパンかごが完成しました!
一人ひとりの編み方に個性が出て、同じかたちのかごでもまったく違った表情になるのが面白く、それをロリータさんたちも喜んでくださったのがとても印象的でした。
参加者の方がオーガストさんにサインをもらっていたので、私もまねをして書いていただきました!
少し恥ずかしそうにしながらサインをしてくださるオーガストさんの表情とてもが印象的です(笑)
できあがったかごにさっそくnestさんの焼き立てパンを入れて・・・

完成したかごにnestさんのパンを入れてお渡しした瞬間のみなさんの嬉しそうな表情は忘れられません。
自分だけのオリジナルパンかごのできあがりです♪

nestさんがパンと一緒に入れてくださったクッキーはラトビアの言葉でPiparkukas(ピパルクーカス:ペッパーのクッキー)と呼ばれ、ラトビアのクリスマスに欠かせない定番のお菓子です。
ロリータさんも「懐かしい味がする。」と喜んでこれを食べていました。
ペッパーということは、胡椒が入っているの?と思いましたが、調べてみると北欧ではスパイスやジンジャーなどの香辛料を総称してペッパーと呼ぶのだとか。
今回いただいたのは胡椒は入っていないものでしたが、現地ではアクセントにブラックペッパーを入れるものもあるみたいです。
辛さはないけれど、ピリッとスパイスの効いたクッキー。
ワークショップ後にスタッフで美味しくいただきました♪
現地ではアイシングされているものが多いようで、nestさんも「ぜひアイシングをして作ってみてほしい」とレシピを教えてくださいました。
近い内にスタッフでピパルクーカを焼いてみようと思いますので、その様子もお楽しみに!
時間をかけて作ったかごはきっと愛着を持って大切にしていただけるはず。
いつも販売しているかごも、こうして職人さんが心を込めて編んでいると思うと、私たちも改めて大切に扱わなければと感じました。
ワークショップを終えて
初めての開催で思うように進まず、参加者の皆さんをお待たせしてしまう場面も多くありました。
ですが、そのたびに「これもワークショップの醍醐味だから」と温かいお声をいただき、支えられながら無事に終えることができました。
オーガストさんやロリータさんとのやり取りも、文化や言葉の違いからすぐに意図が伝わらなかったり、日本のやり方とのギャップに驚いたりと、戸惑いの連続。
でも、その違いこそが、このワークショップを通じて私たちが学ぶべき大切なことなのだと、改めて感じています。
今回のワークショップでは至らない点も多くありましたが、それ以上に学ぶこと、感じることがたくさんありました。
準備の大変さ、文化の違いの面白さ、そしてなによりものづくりを通して人とつながる瞬間の温かさ。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました!
次回も参加したい!と思ってもらえるよう、また楽しいワークショップを企画したいと思っています。

遠くから来てくださったオーガストさんとロリータさん、おいしいパンを提供くださったnestさんに心から感謝しています。
次回の開催をお楽しみに! Paldies!(ありがとう!)