ラトビア旅行記[ 2  ]- ピヌムパサウレかご工房を訪れて -

ラトビア旅行記[ 2 ]- ピヌムパサウレかご工房を訪れて -

ラトビアpinumupasaule工房訪問

|前書き

バルト三国の真ん中に位置するラトビアにある、ピヌムパサウレ工房。
職人のペーテリウスさんと、奥様のロリタさんが中心となって、柳のかごを製作、販売しています。
首都リガにも店舗がありますが、そこから70km離れたミルズカルネという地域で主に製作しています。
ミルズカルネでは敷地内にゲストハウスを併設していると伺い、せっかくなので宿泊させていただくことにしました。

ラトビア旅行記[ 1 ]-ピヌムパサウレ ゲストハウス編- を読む


2024.6 ラトビア旅行記[ 2 ]
-かご作りワークショップ編-

ラトビアpinumupasaule工房訪問

まずはカゴの材料となるヤナギの場所へ。

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バスケットには1年未満のものを使い、1年を過ぎた少し大きく育ったものはバスケットのハンドルや家具などに使うことができるそうです。
長さや太さ、しなやかさによって作るものが変わるのですね。

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葉がついてるとわかりにくいですが、このように素手でしごいて落とすとカゴを構成する一本のヤナギのイメージが湧いてきます。

ラトビアpinumupasaule工房訪問

知ってから周りを見ると、敷地の中はここにもあそこにもヤナギ。

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涼やかなヤナギのアーチをくぐる、ビビットブルーがよく似合うロリタさん。

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刈り取って剪定したものは、長さの同じものを束ねて保管します。

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選定されたヤナギは、このレンガでできた立派な佂で、おもしのレンガを乗せ、3時間火にかけ煮ていきます。
佂の左側の縦長の容器は、炭酸水を入れてヤナギを黒に染める時に使います。
炭酸水で黒くなるなんて、不思議ですね。

ラトビアpinumupasaule工房訪問

蓋を開けるとこんな感じ。
この中の水を見て、老舗の鰻屋のタレが継承され続ける歴史のようなものを感じるのは私だけでしょうか。

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煮ることで柔らかくなったヤナギは、手作業か右側奥にある機械を使って、表皮を剥きます。
手前に立てかけてあるのが、炭酸水で黒い色に染まったヤナギです。

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作業場にもお邪魔させていただきました。
写真がないのですが編む前には、ヤナギをもう一度水に浸け、巾や厚みを均等にする工程を経て、このように職人さんがひと編みずつ、丁寧に編んでいきます。

ラトビアpinumupasaule工房訪問

こちらの方が、ロリタさんの旦那様のペーテリウスさんです。


かご作りのワークショップに挑戦!

ラトビアpinumupasaule工房訪問

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そして今度は私も編んでいくぞということで、贅沢にマンツーマンでのワークショップを体験させていただきます 。
編んでいくのはA4サイズほどのパンかごです 。
穴を開けて用意してくださっている土台の木の板に、ヤナギを差し込んでいきます 。

ラトビアpinumupasaule工房訪問

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ぐるりと一周。この面が底になります 。この底の部分を締めます 。

ラトビアpinumupasaule工房訪問

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かごに使うヤナギの先を尖らせるように切っていきます 。
尖らせた先の部分を底の締めた部分に差し込みます 。

ラトビアpinumupasaule工房訪問

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わからないところはやってくださり、こまめにチェックしてくださいます 。
元々刺さっているヤナギに、今差し込んだヤナギを編み込んでいきます 。

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順調に進んでいます 。
でもちょっと指が疲れたなあと思っていたら、ロリタさんがおやつを持ってきてくれました 。

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疲れが飛んでく甘いエクレアとキャラメルケーキ 。

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手作りのルバーブジュースです 。

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再開してもう踏ん張り。高さが出るまで作業を繰り返します 。

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使わない部分をカットして次の工程に進みます 。
上の部分は新しいヤナギで囲っていきます 。

ラトビアpinumupasaule工房訪問

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最後の最後に大きく曲げて組み込んでいくのが、指が疲れているので余計に難しい。ペーテリウスさんにたくさん手伝っていただきました 。
あと少しで完成するワクワクの気持ちで、こつこつ進めていきます 。
最後の握力でペンチを使って切り落とします 。

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底のヤナギを整えたら、ついに完成です!

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完成に浮かれて一緒に写真を撮っていただきました 。

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ペーテリウスさんの大きくて格好いい職人の手とも記念撮影 。
手についたヤナギの匂いがなかなか取れないことも、良い思い出です 。

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ワークショップが終わっても、外はまだまだ明るい 。

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楽しくて長い1日の締めくくり 。
ずっとついてくる美しい目の猫と、白夜のお散歩 。

ラトビア旅行記[ 3 ] -リガ かご工房見学編- を読む

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