
JPN FIN親交100周年 日本限定の「Artek スツール60 ウスタヴァ」
2019年、日本とフィンランドは外交関係を樹立して100周年を迎えました。アルテック社はこの節目を祝い、末長い両国の親交を願い作られた特別なプロダクトを「FIN/JPN フレンドシップコレクション」として発表しました。コレクションのひとつとして発表された日本限定のスツール60モデルには、フィンランド語で「友達・友人」を意味するYstävä(ウスタヴァ)という名前がつけられています。日本とフィンランドの関係性が今後も友達のように相手を尊敬し共有し合えるような関係であってほしいという願いが込められたアイテムとなっています。

アルテック社のアイコン的アイテム 名作スツール60
1933年、アルヴァ・アアルトがデザインしたスツール60。当時アアルトが設計を担当した図書館で使用するために作られました。講堂でずらっと並べても景観の邪魔にならない均等な見た目と、使わない時には部屋の隅に重ねて置いて置くことができる圧倒的にシンプルで機能的なスツールです。当時から90年近く経ちましたが、環境と場所を選ばず、先進的でどんな時代にも好まれるデザインが大ベストセラーとなり、今やなんと世界中で800万脚以上が製造されている逸品となりました。
イミテーションにはないがっしりさ アルテックだけの特許「L-Leg」技法
「本物はイミテーションと違って実にがっしりとした感じのものである。」渡欧しアアルトのもとで学んだ唯一の日本人である武藤章さんの著書の中で、スツール60はこう書かれています。写真で見ると丸い座面の可愛らしい雰囲気のスツールに見えるのですが、実際使ってみるとわかるしっかりした木の厚みと、ブレのない存在感はまさにがっしり。これはArtek社唯一無二の「L-leg」という技法で作られた、頑丈な脚による印象が大きいと思うのです。
当時フィンランドでは、唯一の資源である木材の新たな用途を開発し輸出することで、経済成長を促進することが求められていました。アアルトは3年の年月をかけて、木材を使用した量産可能な家具を作るために「L-leg」という独自の曲木の製法を開発します。この技術が使われたひとつであるスツール60は、硬く分厚い木材をそのまま曲げることで金属のような強度が実現し、経年変化にも強い作りになっています。
脚の曲面部分にスリット(切り込み)を入れ、その隙間に薄い板を挟み蒸気の力で曲げる工程により、脚上部の曲面だけが層になります。一般的な合板を重ねて作られるものと違い、L-legは無垢のフィンランドバーチそのままの温もりや美しさも表現されています。アルテック社が掲げるいつまでも輝き続ける作品の条件である美と機能性。そしてこの技法によって実現した品質全てが詰め込まれたL-leg技法。背景や工程に込められた想いから作られるものにしかない、オリジナルにしかないそれらの強み。タイムレスで次世代に受け継ぐことのできるものだと、使えば使うほど実感できるのです。
どこでも、いろんな用途で ウスタヴァの楽しみ方
人もモノもフラットに受け入れる、ちょっと広めの座面。日常のさまざまなシーンで使い回せる実用性の高いスツールです。靴を履く時に腰掛けたり、かばんを仮置きしたい玄関や、洗濯物を置いたり、ちょっと座りたい時の洗面所。リモコンやメガネを置くサイドテーブルとして寝室で使うにもいいサイズ。コーヒーテーブルとして使ったり、ソファに寄りかかってテーブルとして使う時も3本脚なので足が入れやすく、真っ平らでゆとりある座面はタブレットやノートパソコンも置きやすく安定感も抜群です。
ウスタヴァは素材そのままのよさがよく表れているので植物の色彩ををより引き立てるので、花や観葉植物を置く花台としてもおススメです。従来のスツール60よりもウッド感が強くシンプルだから、カラーレスな部屋でも、カラフルな部屋にもどんな色合いでも合わせやすいのもいいところ。色々使っていくうちに数が増えたら、重ねた時にしか見られない螺旋状のスタッキングの美しさも楽しめます。ウスタヴァ特有の節や木目の重なりも見ものです。経年変化していくホワイトバーチの色味が自然な雰囲気で楽しめるところもポイントでしょうか。
ウスタヴァは友達です。ともに歳を取って、たくさんの時間を共有していただけたら嬉しいです。どうぞ末永くお付き合いください。
アルテック スツール60 ウスタヴァ のかたち

いつものスツール60にはないウスタヴァのチャームポイント 2018年12月リリースされた2019年限定発売「ウスタヴァモデル」は、自然素材の個性と風合いを活かした特別仕様のスツール60です。あえて、ホワイトバーチに多く見られる節や木目の模様を使うことで、自然素材ならではのナチュラルな風合いと、自然そのままの個体差が個性となる仕様になっています。

上から見る木目の波模様や、横から見る座側面の木の濃さの違いは、Lレッグ構造の曲げ加工部分ともよくマッチして、このスツール60の変わらないスタンダードさを引き立てる気がします。単純にこの名作に一脚一脚異なる模様があるなんて、自分だけのスツール60という感じがして特別感がたまりません。
普段は見えない座面の裏には、アアルトの妻アイノ・アアルトのテキスタイル「kirsikankukka/キルシカンクッカ」(日本語で桜の花という意味です。)のモチーフから作られた、特別なシンボルマークが刻印されています。このキルシカンクッカは80年以上前、当時フィンランド公使の妻であったかよ子夫人が、アイノへ贈った桜の花をモチーフにした絹のスカーフがきっかけで誕生しています。アイノはもらった時の喜びと、日本のテキスタイルデザインへの敬意からキリシカンクッカをデザインしたのだそう。日本を想って作られたからでしょうか、なんだか馴染みやすく、とても惹かれるものがあります。刻印はさらに少ないパーツと線でシンプルにアレンジされており、その上品な表現がウスタヴァにとても似合っています。
スツール60ウスタヴァには、キルシカンクッカのテキスタイルを復刻した手ぬぐいが限定ノベルティとしてついてきます。長い時間を隔てて、京都着物の伝統的な染め技術によりキルシカンクッカは復刻し、手捺染で一枚一枚作られます。日本の春を連想させるこの優しいピンク、とっても癒されますね。
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